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プライベートライヴ@La Cana

18日に、古武道のライブを聴きに行ってきました。
会場は私の地元、下北沢。
わが地元で、今一番のお気に入りである古武道のコンサートが
あるなんて・・・これも何かの縁?
そんな奇跡的な偶然に、帰省を決意して飛行機に乗ったのは
前述の通りです。
今回も、前回の原宿同様、実家の母と一緒に行ってきました。

7時開場・7時半開演って事だったので、まぁ徒歩10分もかからない
から・・なんて実家でのんびりしてたのが敗因。
7時ジャストに会場に着くと、すでに半数以上の席が埋まっちゃって
ました。
しかも、お店・・・地下にあるのですが、ものすごく狭い!!
ライブハウスではなく、生演奏の出来るカフェバーみたいな感じ。

お客さんは50人というが、多分70人近くいたのでは??
もう、一度座ったら動けないほどの過密ぶり。
酸欠を本気で心配するほどの熱気でした。

そして舞台も、舞台と言えるのか?殆ど段差もなくて、客席から
めちゃめちゃ近いし、舞台スペース自体が殆どなくて、あそこに
チェロやら尺八やら置くスペースある??みたいな感じ。
もちろん、楽屋なんていうものもなく「一体3人はどこから登場
するのかしら???」と。

時間を5分ほど過ぎ、まずチェロの古川さん登場。
それから尺八の道山さん、ピアノの妹尾さんも続いて。
道山さんも妹尾さんも近くで見ると、背がとっても高くてすらっと
されてるの。舞台で何度も拝見してるけれど、こんな至近距離で
動く3人を見るのは、もちろん初めて。

最初に「Have yourself a merry Christmas」
しっとりと、ジャジーな感じ。
でも、尺八が、マイクを通したちょっとエコーかかった音で聞こえ
「えぇ、こんな近い距離なのにマイク??いらないのでは?」と
思ってしまった。

それからご挨拶。
今回のライブ、1週間前の直前告知、しかも応募は2日間・・にも
かかわらず、200通以上の応募があった事、そんな倍率を勝ち取って
集まった50名。
あまりに客席とステージが近すぎで、もう最初から打ち解けた雰囲気。
そしてチェロ界のプリンス様が、またしてもチョー悪オヤジに変身。
最初からトークがさえてて、もう爆笑の渦でした。

「SASUKE」
これもあまりにステージ狭くて、道山さんの尺八チェンジが遅れた?
失敗した~とか、妹尾さんのピアノがいつもより速いテンポで・・
まぁこういうのもライブのいいところでして・・なんてお話。
やはりSASUKEはお客さんのリアクションもよく、周りをみてると
身を乗り出して聴いてる人、リズムに身体が動いている人、「おぉ
すげー」みたいな事をつぶやく人、ひたすらステージに熱い視線を
送っている女の子・・やら色々。

ただ、私がとても今回不愉快だったカップルが。
彼女がどうやら道山さんfanだったようで。
男のほうが、堂々とデジカメで隠し撮りですよ!!
腕を高くあげてパシャリ。
で、「撮れたよ~」みたいな感じで彼女と肩寄せ合ってコソコソ。
まぁ、さすがにフラッシュは、たけなかったから、薄暗い小さな写真
しか撮れてなかったけどね。
彼女に喜んでもらいたい一心かもしれんが、こういう男は好きになれ
ないわ。
道山さんの写真撮って喜んでもらうんじゃなくて、自分の魅力で勝負
しろ!ふん。

話がそれました。
その後、3人の作曲された「BEST FRIEND」「瀧」「MY LITTLE
SONG」

BEST FRIEND辺りから道山さんの尺八がどんどん熱を帯び、
澄んだ高音ののびやかさがとても心地よい。
最初に思ったマイクを通した音でなく、生音がビンビンに伝わって
きました。
もう、聴いてるこちらも、なんとも言えない濃厚な音楽の旅に。

そして音楽の合間のトークが面白すぎ。
本当に、素の3人の漫才のようなボケ突っ込みに、大爆笑。
そんな感じなのにすぐ、曲になるときちんと素敵な音楽奏でちゃう
所がすごいというか、なんというか。

この後は、曲順とか前後してるかもしれないですが・・・・

ソロコーナーではなく、今回はデュオコーナー。
最初に妹尾&古川で「蒼茫」
この曲、本当に、雄大な海をイメージさせる、しっとりとした名曲中の
名曲なのに古川さんったら、これを録音した2ヵ月後に、6年付き合っ
てた彼女に振られた・・って。
で、なんか妹尾作品は、別れとか死とか、そういうドラマによく起用される
なんて話に脱線したり。
「この曲、色んな人と共演したんだけど、やっぱり古川のチェロじゃないと
駄目なんですよ、はっきり言って、他の人とやって、え???って思った
事も何度か」なんて妹尾さんが言ったら、すかさず道山さんが「それって
僕の事も入ってるの?」
散々脱線して笑わせておいて、演奏はもうブラボーってな感じで感動
させられてしまう。


次は古川&道山さんで、バッハの無伴奏チェロ曲「プレリュード」
いわずと知れたチェロの名曲ですが、これに尺八が違和感なくからむ
あたりさすが道山さん。これは前にNHKで放送された番組でも演奏されて
聴いたことありましたが。尺八の域を完全に超えてます。

最後は道山さん&妹尾さん。
いつも道山さんや妹尾さんのコンサートでは「即興」コーナーがあるのですが
今回も、お題を会場からもらって、そのイメージで即興演奏。
今回「大晦日!」というリクエストで(クリスマスはNGワードだった)
和風な感じで妹尾さんがポロロンとピアノを演奏始めると、そこにすーっと
道山さんの尺八が上手い具合に絡んでいって。
もう、ここまで来ると、二人の阿吽の呼吸・お互い通じちゃってる感じが神業。
「仕込み?」って古川さんにつっこまれるほどの、完璧な演奏。
「こうくる?」「え?そうなの?」みたいな不安感一切なしな二人の息の合った
即興演奏でした。

ふぅ・・・・まず、私の撃沈ポイント1でした。素晴らしいなんて言葉では
言い表せません。
その場限りなんて、本当にもったいないほど。

それから、道山さんのオリジナル「琥珀の道」初めての3人での演奏。
これはオリジナルはもっと沖縄民謡っぽい?感じなんだけど、何度も色んな
楽器で演奏して、その度に色んな色がついた演奏が聴けて嬉しいし、
なんか演奏してる道山さんや妹尾さんが熱くなって、心を打たれました。

いつも思うんだけど、CDで聴いてて「うーん、この曲は私の好み
ではないかなぁ・・」って思う曲ほど(ごめんなさい)
ライブで聴くと、すごく曲が生きてて感動させられる事が多い。
この琥珀の道も最初聴いた時そう思ったし、前回の6月のTonight
今回はBEST FRIEND。
つくづく、ライブは生き物だなぁ・・って思う。
だから私はコンサートに足を運ぶことをせずにはいられない。


次はしっとりとラフマニノフでした。
(うーん、やっぱりデュオと、琥珀&ラフマニノフ、逆だったかな?)

あれだけ熱く演奏した後で、しっとりと感情をコントロールして演奏するの
難しそう・・なのに、切り替わる3人。
そして、今回この会場にあるピアノがアップライトな訳ですよ。
ピアノ歴6年のうちの娘でさえ、アップライトとグランドピアノでは演奏が
全然違って聞こえる程なのに。
アップライトで見事にラフマニノフのピアノ協奏曲第二番第二楽章
を演奏する、妹尾氏。ぶらぼーでした。

ご本人も「私、スタンウェイじゃなきゃ、弾けないわっ・・・・みたいなことは
言いませんから」なんて笑ってたけど。
本当に、ため息が漏れるほど、素晴らしかった。
撃沈ポイント2、でした。
もう、帰りの飛行機や電車の中、私の頭の中、ラフマニノフがエンドレス
でしたから。

その他、「My Favorite Things」 (これも、前半で演奏してたはず)
道山さんのアルバムに入ってるユーミンの「水の影」これは古武道という
ネーミングがつく前に、初めて3人でレコーディングした曲。
アルバム発売記念コンサートの仙台で演奏した「荒城の月」
原宿で演奏した「リベルタンゴ」   で、終了。

一度ひける舞台袖もないので、そのままアンコールで、きよしこの夜

本当に、あっという間の2時間でした。
え?もうおしまい?みたいな。
関西弁でノリツッコミをかます、古川&妹尾氏と、おっとりと後ろで微笑む
道山氏のバランスも、ほんわかしてて楽しかったし、素の3人って感じな
身近さが今回のプライベートライブの最大の魅力だったのでは。

ライブ終了して、地上に出る為階段を上ってたら、踊り場に古武道の
3人が待っていて、お客さん一人ひとりに声を掛けてくださいました。
これもビックなサプライズ。
テクテク階段上ってたら、にっこり微笑む道山氏が立ってて、ビックリですよ。

私、せっかく地方から飛んできたもので、今回紅茶好きな道山さんに
お土産を用意してて。
それをご本人に手渡す事が出来て、本当に嬉しかったです。
少しお話させてもらって紙袋を手渡したら、道山さん、紙袋をいったん
受け取り、自分のひじに下げてから、両手を差し出されて ← ここがポイント
「ありがとう」って握手していただきました。
ううううー、幸せだー。来てよかった(涙)
もちろん、他のみなさんにも同じようにされてたのでしょうけど、すごく丁寧な
対応で、やっぱり素敵な方でした♪

妹尾さんには「富山はもう雪景色?」なんて言われ、私はまたしても
「違います!!!」と叫び、同時に実家の母は「私は富山に住んでません!!」と
やっぱりむきになって否定してる、似たもの親子。

古川さんに母が「今日はチェロの弦が切れなくてよかったですね」なんて
オイオイ、それは禁句では?みたいな事を言っちゃってました。

今はもう富山に戻ってしまって、なんだか昨日の事なのに
現実だったのかしら?と思ってしまうような、本当にあっという間の幸せな
空間でした。なので、終わっちゃって、当日の夜はかなりブルーな気分に。

でも今年最後に、こんなにも暖かい気持ちになれる素敵なライブに
参加できてよかった。
古武道結成が、今年の私にとっての一番のプレゼントだった気がします。
もちろんそれぞれソロの活動も応援させていただいてますが、3人が
紡ぎだす音楽は、和やクラシックやそういう固定概念をとっぱらって、
3人にしか作り出せない、特別な音。
スーッと心に溶けてなじむような、心地よさでした。

まだ後できちんとしたものに書き直すかもしれないけれど、感動が薄れないうちに
とりあえず思ったままを。
Commented at 2007-12-24 01:15 x
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
by mino_1968 | 2007-12-19 22:52 | 古武道 | Comments(1)