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国府弘子スペシャルトリオwith 藤原道山

今年初めての道山さんの生音堪能はこちらでした。
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ジャズピアニスト、国府弘子さんのコンサートにゲスト出演された道山さんを
聴きに、金沢へ。

コンサートは2部構成で、道山さんは後半の部にご登場。
前半は、ベースとドラム、そしてピアノという構成で、国府さんの曲中心に
進んでいきました。

ジャズライブという事ですが、客層が・・・・年齢高すぎ。
自分の親世代、下手すると祖母位の方が圧倒的で、少々驚きでした。
これはどういう関係からお客さんが集まったのでしょうかねぇ??
ジャズ好きな人は少数だったのかしら?

そんな訳で、最初からとても敷居が低くフレンドリーな国府さんのトークで
「初心者向けジャズ講座」なども途中ありましたよ。
スウィングとはなんぞや、音の取り方、リズムの楽しみ方など「きらきら星」を
即興ジャズアレンジして、皆で指パッチンでリズム取る練習したり。

「途中、即興演奏があって、もし(笑)いいな~頑張ったな~と思ったら
拍手してもいいんですよ」と、客席の盛り上がり方のレクチャーもありながらの
「A列車で行こう」
ドラムやベースの面々の即興演奏も熱く、皆が楽しそうに演奏されてて
それは客席にも伝わってきて、うーん、お酒飲みながら聴きたいわ~って
思いました。

そしてこういうコンサートって、ご当地ネタを用意しておくと、客席が凄く盛り上がる
事ってあるじゃないですか。
今回は石川県という事で、地元の英雄といえば、「松井秀喜」!!
そして会場が北國新聞のホールという事で、松井ジュニア誕生のニュースも
つい最近飛び込んできたばかり。

国府さん、松井ゴジラの大ファンらしく、まだ彼がジャイアンツにいた頃に野球
見ながら、つい盛り上がって曲が出来てしまったという「GO、GO、ゴジ~ラ~!!」
とてもアップテンポでノリノリな曲で第一部は終了しました。


さてさて、第二部は最初から「尺八の貴公子」藤原道山さんご登場。
黒のスーツに赤のシャツ、というスタイルでまず、アメイジンググレイス。
客席の道山さんの演奏初心者にガツンと、ご挨拶がわりの一曲を。

透明感のある音色、息遣いまで感じられる程(マイクが音を拾いすぎ?)
そして響きのよいホールに音の揺れが響き渡りました。
そんな賛美歌の後すぐに曲調がガラリと変わり、「東風」
もう、大、大好きな曲なので、めちゃくちゃ盛り上がりました。
そして演奏もアグレッシブで、最初からこんなテンションでいいの???と思って
しまうほどの熱い演奏でした。

ここでベースとドラムの方は一旦ステージを去り、国府さんと道山さんのみ。
春の夜、という事で季節にちなんだ選曲でした。
「荒城の月」と、とある民謡が。

荒城の月はしっとりと、帰りに夜空を見上げたくなるような、情景が目に浮かぶような
そんな演奏、そしてその後の曲はジャズアレンジされて、めちゃくちゃカッコよく、
体が思わず音に合わせて動いてしまう程。
「さすが道山さん」なんて思っていたのですが、途中で「でででこでん」のフレーズが
出てきて、あれ?これ???もしかして?????

「こきりこ節」でした。うっそ~こんな変身を遂げてしまうの??
北陸公演という事での選曲だったと思われます。

(この辺から順番あやふやです、すみません)
次は道山さんのアルバムに入ってる、武満徹の「小さい空」
これは高校時代にラジオから流れてきたのを聞いて、思わず涙が出た、と道山さん。
大好きな曲なんです、との事。

そして数年前に、21世紀美術館でSINSKEさんと道山さんのコンサートがあり
そこでも演奏されたのですが、21美に、天井が四角く切り取られ、そこから空が
見えるという展示室そのものが作品となっている部屋があるのですが、そこを
案内された時に、武満徹のこの曲が真っ先に思い浮かんで、余計に丁寧に
思いを込めて演奏しました、というお話がありました。

「金沢にはよくいらっしゃるんですか?道山さん、金沢似合いそう」との振りに
「ここ赤羽ホールは何年か前に古武道で来てるんですよ」
「あぁ、あのイケメン集団ね」「・・・・自分で、はい、とは言えないですよね~」
と、イケメンイケメン言われるのに反応に困ってる道山さんは、いつもの事。

尺八は「お爺ちゃんが趣味で演奏してるもの」みたいなイメージありますけど・・
の問いに「お爺ちゃん達もいきなり始めたんじゃなくて、自分みたいに若い
頃からずっとやっていらっしゃって今があると思うんですよ」と。
ただ、若い人がとっつきにくい楽器である事は確かですよね、触れる機会がないし。
中々音の出づらい、出しにくい楽器であるのは事実なのですが、そこが逆に
面白い、とも。



ベースとドラムに戻ってもらって、次に4人で演奏したのは、チックコリアの「スペイン」
うわ~道山さん演奏のスペイン、超久々に聞いた気がする。
ここではまた、ベースやドラムのソロ演奏も途中挟み、即興合戦と化してました。
(国府さん、ご自身の演奏は止めて、にこにこ笑ってずーっと見てるし。笑 )
その夜限りの、スペシャルな演奏に圧倒されました。

最後は国府さん作曲、大地への祈りを込めた曲でお別れです。
15年前に作られたそうですが、震災があってからは、勿論そちらに向けて思いを
馳せながら演奏される事も多いそうで、祈るような表情で演奏されてたのが印象的
でした。
 

アンコールは国府さんのソロと、全員揃って道山さんの「琥珀の道」
「琥珀の道」、古武道バージョンではどんどん進化し続けておりますが、今回は
道山さんのアルバムに入ってるオリジナルを踏襲したアレンジだったので
ちょっとオリエンタルなムードや、テンポもだいぶゆっくりで、違う曲を聴いてる
みたいな新鮮な感じ。


純粋に音を楽しむ、そんなシンプルな事がとても素晴らしい、そんな夜でした。
by mino_1968 | 2013-03-17 12:31 | 古武道 | Comments(0)