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至福の時

名古屋にある電気文化会館で行われた、「藤原道山×シュトイデ&仲間たち」
聴きに行ってきました。
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シュトイデ氏はウィーンフィルのコンサートマスターをつとめていらっしゃる方。
道山さんとは4年前に初共演、その後声を掛けていただいて2年前に再度共演。
そのご縁から今回シュトイデ率いる弦楽四重奏とのCDを作る事になり、その記念公演
4箇所のうちの名古屋に行けたのでした。

震災があった為、来日スケジュールの大幅変更もあったようだし、ウィーンフィル側の
大人の都合で、今回はセカンドバイオリンの奏者が、CDを演奏された方とは別の奏者
だったりもしたのですが、こうやって貴重な公演を聴きに行く事が出来、本当に幸せな
ひと時でした。

とにかく、シュトイデ氏のバイオリンが素晴らしくてスーッと体に沁み渡り、包み込まれる
ような音色のなんと心地よいこと。
「この世に、こんな美しい音色があったのか・・」と思ってしまったほど、ガーンとか胸に
ズーンという衝撃的なものでなく、ただただもう無心に、聞き惚れてしまいました。
自然と涙がつーっと流れ落ちた程。
あの瞬間、私は確実に天国を見た、そんな気持ち。

聞いてる我々も幸せだったけど、共演されてる道山さんが一番楽しそう、幸せそうなのが
見れましたよ♪
ラストの曲の時なんて道山さん、思わず会場の時計に目をやったんですよ。
あっという間、もうこんな時間?みたいな感じで。こんなお姿も初めて。


<セットリスト>
☆第一部☆ それぞれのソロ演奏でした。

道山さんソロ   アメイジング グレイス
           尺八本曲より 岩清水

シュトイデカルテット  チャイコフスキー:弦楽四重奏 第一番ニ長調作品11

☆第二部☆ 道山さんとシュトイデカルテットの共演

・藤原道山:MINORI
・ジョン・ダウランド:FLOW MY TEARS(流れよ、わが涙)
・フォーレ:PIE JESU(ピエ・イエス)慈悲深き主イエスよ
・バッハ:管弦楽組曲 第二番ロ短調BWV1067より
      Ⅰ序曲 Ⅱポロネーズ Ⅲメヌエット Ⅳバディネリ
・古典本曲:虚空
・山田耕作:からたちの花
・バルトーク ルーマニア民族舞曲
      Ⅰ棒の踊り  Ⅱ飾り帯の踊り  Ⅲ足踏み踊り Ⅳブチュム人の踊り
      Ⅴルーマニア風ポルカ  Ⅵ速い踊り
・大島ミチル:La Festa
・藤原道山:東風

☆アンコール☆

・燕子 -Swallow-


第一部ははかま姿の道山さんご登場。
震災があった今年なので、賛美歌であるアメイジンググレイスから。
尺八本曲の岩清水は、初めて聴く曲でした。

その後、シュトイデカルテットご登場。
息の合った本当に美しいハーモニーを奏でつつも、ひとつひとつの楽器の音がちゃんと
聞こえてるし、円熟した音だなぁ~と、とにかく上記の感想にも書いた「天国」が、確かに
存在してました。あの空間に。

このチャイコフスキーの弦楽四重奏、道山さん達が録音したウィーンのホフブルク教会で
シュトイデカルテットが録音したCDが最近発売されたのだとか。
絶対買います、今からamazonで。

ホフブルク教会は、ウィーン少年合唱団の本拠地でもあり、昔はシューベルトが
ここで演奏した、とか、歴史に名の残ったそうそうたる音楽家が愛した、響きの美しい
教会だそうです。

ただしここでハプニング。
あまりに心地よいメロディにうっとりしてたのですが、鳥の鳴き声のような、かすかな
BGMみたいな音が聞こえ「何、演出?そんなのいらないでしょ」と思ってたんだけど
舞台上のカルテットの面々も??みたいな表情されてて。
後でツイッターで知ったのですが、なんと観客の補聴器が弦楽器の音色に共鳴
してしまったのだとか。
こんなの、初めてでビックリ。どういう仕組みになってるんでしょうねー。




第二部はいよいよアルバム「Festa」の曲中心に。

私は一番感動したのはバッハでした。
やはり、あちらの国の人たちにとって、かの国の作曲家達に対する想いやリスペクト
愛みたいなものがぐいぐい伝わってくる演奏。思い入れが演奏に現れると言うか、
もう全然別世界に行っちゃってる感じ?
陳腐すぎる言葉しか書けない自分が悲しいが、日本人にはあの演奏は出来ないの
ではないか・・と思う。

そして、そのカルテットに囲まれ道山さんは、本来ならフルートのパートを尺八で
演奏されてる訳ですが、くるくる激しく動く指使いに釘付け。
穴が5個しか開いてない事を忘れるほどの、多彩な音を奏でていらっしゃいますが
全然違和感なく調和してて、本当に美しかったです。


その次の古典本曲の虚空。
日本人なら誰でも感じる事の出来る「侘び、さび」の世界。
逆にヨーロッパの方に、その世界観がわかるのかな?という心配は全くの杞憂で
曲のイメージを壊す事無く主張しすぎず、尺八のかもし出す幽玄な曲の雰囲気を
支えていて、こちらも個人的にはかなり「ブラボー」な感じでした。

からたちの花は山田耕作×北原白秋の歌曲。
全然そういう風には聞こえない、全く新たな雰囲気になりますねぇ・・

バルトークからFestaの辺りには、会場も熱気に包まれていきました。
CDのテンポより更に早い演奏だったFesta、道山さん凄すぎます。
心躍る演奏に、こちらも自然と笑顔に。

第二部はトークが一切入らず演奏のみ、だったので、本当にあっという間でした。

今回クラシック中心のコンサートで、個人的に熱望してたものだったし、プログラムも
大満足。
ただ、そんなにファンでもない方が多くいらしてて、第一楽章が終わった所で拍手
しちゃったり・・みたいな事もありました。残念。


サイン会は長蛇の列。
シュトイデカルテットのメンバー達も参加して下さった為、いつもの道山さんのサイン会
とは少し雰囲気違って、超「流れ」ちゃってて、立ち止まって話をする雰囲気、皆無。
普段だったら、道山さんがサインされる間お話したり、感想述べたり出来る余裕が
あるのですが、まるで握手会か?位の早さで進む進む。

今回ある野望を抱いていたのですが、もうそんな個人的お願いなんてどうでもいい!
それより限られた時間にコンサートの感想を伝えたい!との思いで葛藤。
沢山、沢山、話したい、伝えたい事があったのですが、もう一言で、となると難しく
結局は「贅沢で幸せな空間でした」と、なんと抽象的な台詞しか言えないんだ、自分orz
道山さん「ボクも同じです」とおっしゃってました。

ここでしか聴くことの出来ない時間、空間、音を共有でき、本当に満ち足りた気分で
会場を後に。会場係のお姉さんにまで「ありがとう」と、意味不明な微笑みと挨拶をして
帰っちゃうくらい幸せでした。

今年最後の生演奏、胸に刻み込んで、明日からまた頑張ります。
今日名古屋にいたのが嘘みたい、な、現実に戻っておりますよ。 
by mino_1968 | 2011-12-06 22:43 | 古武道 | Comments(0)